最初に導入すべきEtsyキーワード調査ツール eRank
Etsyで作品を売り始めると、遅かれ早かれ「キーワード調査ツール」の話に行き当たります。eRank、Alura、EverBee、MarmaleadとEtsyのツールの選択肢はいくつもありますが、最初に導入すべき一本に迷ったら、答えは「先ずeRankの無料版から始めてみること」です。ここでは、なぜeRankが最初の一歩に向いているのか、無料でどこまでできるのか、どのタイミングで有料版に上げればいいのか、などについてまとめてみました。本記事は、2026年7月現在の情報を基にしています。
| なぜEtsyにキーワード調査ツールが必要なのか
Etsyでユーザーに作品を見つけてもらう最も基本的な方法は検索で見つけてもらうことです。ユーザーが実際に打ち込む検索ワードを、出品タイトルやタグに正しく織り込む必要があります。ところが、どのキーワードがよく検索されているのか?そのキーワードで表示順位を競っている競合ショップはどれくらいいるのか?などは結果を見ただけでは分かりません。これらを数値で確かめられるのがキーワード調査ツールなのです。
先ず押さえておきたい数値は二つ、キーワードの検索数とそのキーワードを使用している競合ショップ数です。実は、この二つはEtsy公式のMarketplace Insightsでも確認することができます。Etsy自身の一次データのため最も正確な数値で、無料で週に15キーワードまで照会できます。有料 (月10USドル) のEtsy Plusなら無制限で照会することができます。2026年からは前週比の需要トレンドや最大50件までの検索の保存機能も加わりました。先ずはこの公式ツールが、検索数・競合ショップ数を押さえる出発点になるかもしれません。
ただし、Marketplace Insightsで確認できるのは直近30日分の検索数と競合ショップ数の二つです。有料にしても前述の通り照会数は無制限ですが、30日の期間は固定になります。それでは、なぜ最初に導入すべきEtsyツールとして、eRankを勧めるのでしょうか。公式のMarketplace Insightsで検索数・競合数の実数が取れるなら、なぜわざわざ別のツールを入れる必要があるのでしょうか。
| 公式ツールがあるのになぜeRankなのか
なぜeRankなのかについての一つめの理由は、公式ツールのMarketplace Insightsには無いデータを持っていることです。 Marketplace Insightsで見れるのは検索数と競合ショップ数ですが、eRankでは、そこに CTR (クリック率) という購買意欲の指標を加えられます。CTRは検索結果を「ただ見ているだけ」か「比較検討して買おうとしているか」を読み取れる指標とも言えます。期間についても公式では直近30日分のデータですが、eRankでは過去15ヶ月間でそれぞれの月の検索数の平均値を確認することでトレンドを追うことができます。
eRankを利用することにより、検索数と競合ショップ数にCTRを加えた三つの軸でのキーワードの評価が可能になります。つまり、検索数が多く、競合しているショップが少なく、クリック率が高い、この三拍子が揃った「高スコアキーワード」を見つけ出すことができるのです。
二つめの理由は、恒久無料プランがあること、そして、有料に上げても料金が安価なことです。eRankはクレジットカードの登録が不要で、無料プランを無期限に使い続けられます。ただ、キーワード調査をまともにやろうとすれば、どうしても1日のキーワード照会数が5つまでという無料プランの制約は、正直なところ厳しいものがあります。eRankは、有料プランでもBasicは月5.99 USドル、Proでも月9.99 USドル (プランの詳細は後述) と費用対効果は破格です。
公式のツールには無い貴重なデータを無料〜低コストで手に入れられることが、最初のキーワード調査ツールとしてeRankを選ぶ理由です。検索数・競合ショップ数にMarketplace InsightsにはないCTRまで加えた三軸のスコアリングを、1キーワードずつ確認してリストに保存・比較することができます。これにより、キーワード調査の中核作業をひと通り回すことができるのです。
| 他のツールにない eRank5つの強み
eRankを他ツールと分ける差別化のポイントは大きく5つあります。それぞれを公式ツールのMarketplace Insights、そして主要な外部ツールであるMarmalead・Alura・EverBeeと比較しながら説明をします。
1. CTR (クリック率)
1回の検索あたりに何回クリックされているかをキーワードごとに数値化します。eRankではCTRを過去12ヶ月の月平均値として見ることが出来ます。CTRが100%を超えるキーワードは、複数の出品を見比べて買おうとしている層がいるサインで購買意欲の指標になります。この検索に対するクリック率を持っているのは実質eRankだけになり、唯一Marmaleadが近い考え方として独自のEngagement (反応指標) を持ちますがCTRそのものではありません。
2. タグ分析
競合ショップが扱うタグや各タグの検索数・競合ショップ数・CTRまで掘り下げて見ることが出来ます。出品ごとに設けられている13のタグ枠すべてをこれら三軸で裏づけたキーワードで丁寧に埋めるだけでSEOに効果があります。タグ単位でここまで分析できるツールは他にありません。Marmaleadもタグ提案止まりで深掘りは限定的です。
3. 競合ショップ分析
Competitor Trackingで上位ショップの推定販売数・推定売れ筋・タグ・価格を追跡できます (eRankのショップ枠はBasic 5 / Pro 50 / Expert 200)。ショップ情報の追跡はAluraやEverBeeでも可能で、とくに個々の商品売上の推定はEverBeeの方が優れています。ただ、タグ・価格まで含めて競合ショップの全体像を追う総合力ではeRankは負けてはいません。公式のMarketplace Insightsにはショップ追跡の機能自体がありません。売上推定を重視するなら、後々EverBeeを併用するのが良いでしょう。
4. 15ヶ月分のキーワード履歴データ
キーワードの検索推移を15ヶ月分遡り、去年の同時期に何が伸びたかを振り返れます。季節需要の先回りに有効で、直近30日のMarketplace Insightsはもちろん、AluraやEverBeeの履歴も限定的で、季節性に強いMarmaleadでもここまでの長期履歴はカバーしていません。
5. 外部プラットフォームとトレンド横断
Trend Buzzを利用することで、EtsyだけでなくAmazon・eBay・Pinterest・Google Shoppingなど十数の外部プラットフォームを横断してトレンドとなっているキーワードを確認できます。このEtsyの外側まで見られるのはeRankのみで、Marketplace Insights・Marmalead・Alura・EverBeeのデータはいずれもEtsy内に閉じています。
これらを表にまとめると以下の通りです。◎ = 強い / ○ = あり / △ = 限定的 / × = なし
| 項目 | eRank | Marketplace Insights | Marmalead | Alura | EverBee |
|---|---|---|---|---|---|
| 1. CTR (クリック率) | ◎ | × | ◯ (独自指標 Engagement) | × | × |
| 2. タグ分析 | ◎ | × | △ | × | × |
| 3. 競合ショップ分析 | ◯ | × | △ | ◯ | ◎ (商品売上推定) |
| 4. 長期履歴 (15か月) | ◎ | × (30日まで) | △ | △ | △ |
| 5. 外部トレンド (Amazon など) | ◯ | × | × | × | × |
| eRankの始め方・料金・使いこなし
無料版でどこまでできるか
キーワード調査は基本的に無料で実行することが出来ます。eRankのKeyword Toolを使用して1キーワードずつ検索数・競合数・CTRなどを確認でき、それらをKeyword Lists (無料プランは1つまで) に保存してスコアを比較することもできます。Listing Auditsでタイトル・タグの改善点を診断し、Trend Buzzでプラットフォーム別の今検索されているキーワードを見ることも出来ます。
制約は「1日のキーワード照会数が5つまで」という点です。調査したいキーワードの数が多い場合数日に分ける必要がありますが、計画的に実行すれば無料でも十分使えます。先ずはここから始めてツールの使い勝手とデータの見方に慣れるのがお勧めです。ただそれでも、キーワード調査をSEOプロセスに入れて運用し始めると、1日のキーワード照会数が5つまでという無料プランの制約は厳しいと感じ始めるでしょう。
有料はどのプランから?Basicで十分な理由
キーワードを三軸で評価して高スコアキーワードをリスト化する、ここまでは無料でも回せます。そして、無料版で手応えをつかんだら本格的にキーワード調査を実行していく、といった流れになると思います。本格的に実行するなら、先ず、Basic (5.99 USドル) で、照会数が100キーワード / 日、キーワードリスト25種類、競合ショップ数分析5枠に広がり、「三軸スコアリングを止まらず回す」最小ラインになります。極めて費用対効果の高いプランです。
Pro (9.99 USドル) は基本的にBasicの数制限を拡大したプランですが、Trending in Etsy Categories (自社ショップのメインカテゴリーでユーザーが検索しているキーワードを見れる) やCategory Reportの拡張 (サブカテゴリーまで絞って最も検索/クリックされているショップやキーワードを見れる) が新たに使えるようになります。Basicの使いづらい点があるとすれば、競合ショップの追跡が5つまでしか設定できないことが挙げられるので、50ショップ追跡は魅力ではあります。ただ多くのセラーにとっては、無料プラン -> Basic -> 必要ならProという上げ方で十分でしょう。Proまで上げずに、その差額を他の有料ツールに使うことを検討しても良いでしょう。
料金プランは Free / Basic / Pro / Expert の4段階です。料金は年契約をすることで割引されます。
| 項目 | Free | Basic | Pro | Expert |
|---|---|---|---|---|
| 月額 (年契約の場合) | 0 USドル | 5.99 USドル (5.50) | 9.99 USドル (7.92) | 29.99 USドル (22.50) |
| Keyword 照会数/日 | 5 | 100 | 200 | 500 |
| Keyword Lists 数 | 1 | 25 | 50 | 100 |
| Bulk Keyword Tool | 5 | 25 | 50 | 100 |
| Rank Checker | 10 | 25 | 50 | 100 |
| 競合ショップ追跡 (Competitor Sales) | 1 | 5 | 50 | 200 |
| Shop Info Reports/日 | × | 200 | 300 | 1,000 |
| Top Sellers (上位セラー閲覧) | 上位5 | 上位100 | 上位100 | 上位10,000 |
| Trending in Etsy Categories | × | × | ✓ | ✓ |
| Category Report | トップカテゴリのみ | トップカテゴリのみ | 拡張 (サブカテゴリも) | 拡張 (サブカテゴリも) |
| Listing Audits/日 | 5 | 50 | 200 | 500 |
| 接続自社ショップ数 / 分析出品数 | 1 / 50 | 5 / 200 | 10 / 4,000 | 100 / 5,000 |
効果を出す4つの運用ヒント
eRankを導入したのち次の4つの視点を意識すると効果が出やすくなると思います。
1. 検索数よりCTRを見る
需要を見る上で検索数は重要ですが、検索数が多いだけのキーワードは競合ショップも多いためその中に埋もれがちです。CTRが125%を超えるようなキーワードは「比較検討して買おうとしている」層がいるサインなので、こうしたキーワードを中心にリスト化します。
2. 独自スコアで並べ替える
検索数 × CTR ÷ 競合数、といった自分なりのスコアを決めておくと、タグに使用するキーワードの候補を機械的に優先順位付けすることができます。
3. 競合売れ筋のタグを参考にする
既に売れている競合ショップの類似商品に設定されているタグを参照することができます。良さそうなタグはKeyword Listsに保存して分析します。
4. 季節は先回りする
Monthly Trendsで去年の同時期に伸びたキーワードを調べ、シーズンが来る前に高スコアキーワードに関連した作品開発を行います。Trend Buzzを使えば、Amazon・eBay・Pinterestなど外部プラットフォームで何が検索されているかも横断的につかめます。
検索数と競合ショップ数の実数は、まずEtsy公式のMarketplace Insightsで押さえられます。そのうえで、外部ツールを最初に一つ導入するなら迷わずeRankでしょう。恒久無料で始められ、公式ツールにはないCTRを加えた三軸スコアリングを無料で試すことができます。他にも、タグ分析・競合ショップ分析・15ヶ月履歴・外部トレンドなどで公式データを補うことができます。
先ずはMarketplace InsightsとeRankを併用して慣れることで分析の土台とし、さらに多くのキーワード調査を回し続けることが必要になった段階でBasic (5.99 USドル) へと移行しましょう。そして、商品売上の推定を重視するならEverBee、3ヶ月先の検索予測ならMarmaleadと、後から用途に応じて足りないところに他のツールを足していけば良いのです。先ずは中核として最初に据えるのに最適なのがeRankであり、これが初期段階で費用を抑えつつ着実に成果に繋げることができる王道です。
出典 :
eRank Plans & Pricing – eRank 公式ページ
Choosing the Right eRank Plan for You – eRank Help
How Do I Use Etsy’s Marketplace Insights Tool? – Etsy Help
Smarter Selling Starts With Marketplace Insights – Etsy Seller Handbook